インネパカレー男、ネパールへ

ネパール探訪、ネパール論考

Day24: 雲散霧消、グアバとチョウチョウ、猫

 私は11月が一年で最も嫌いである。気候が嫌いなのだ。急に寒くなる。一日の寒暖差が大きくなる。風邪をひきやすくなる。

 ネパールも例外ではない。というより、日本より寒暖差が大きいと感じる。

 朝8時頃外に出ると、霧がかかっている。太陽は霧と雲に隠れている。

 50m先に何があるかわからない。気温は10度〜12度くらいだろうか。少し厚めのジャケットが必要になる。

 これが数時間経てば、くっきりと晴れ渡る。

 若干ずれてしまったが、同じ地点から同じ方向に撮った写真である。雲と霧は一体どこに行ってしまったのだ?

 こうして日中は陽光が降り注ぐ。日焼けするのではないかと思うくらい、皮膚は熱くなる。私はTシャツ1枚になる。

 しかし17時くらいになると日が落ちていき、また寒くなる。ジャケットを着る。それでもまだ少し寒い。

 こうして季節は私を置いて先に走っていく。10日前にポカラにいた時は暑くて夜も汗をかいたほどだったのに。行き場のない不満を漏らしてもどうしようもない。身体がついていけるはずもなく、今朝から鼻がムズムズして仕方ない。

 

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 とあるネパリ友人がどうしても地元の村を私に見せたいらしい。また山の上。まあ、一日ツアーなので問題ない。この前みたいに山村に3泊4日するとでもいうのなら、3ヶ月は心の準備期間が欲しい。

 お兄さんの車で山道を登っていった。道は聞いていたほど広くはなかった。上のほうまで行くと、下の景色が見渡せた。

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 一つの視界で山と川と田園と町がすべて詰まっている。こういうのいくらでも眺めていられる。そよ風が気持ちよかった。私はジャケットを脱いだ。

 そのまま友人宅へと歩いていった。家で蜂の巣を育てているのか、空の写真を撮ったら沢山の蜂が写り込んだ。


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 そこからまた別のお宅に移動した。皆さん畑の肥料を袋に詰め込む作業をしていた。

 そのまま午後のカジャ(軽食)を食べることになった。緑色の果物を手渡された。グアバあのグアバジュースのグアバ。その辺になっていたものだろう。

 齧って食べるように言われたので、「洗わなくていいんですか?」と聞くと、「洗わなくていい。これはお腹にいい」と教えてもらった。外国人にとってお腹にいいとは限らない気がしたが、包丁で切ってもらったものを数切れ食べた。

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 中は白かった。少し甘く、少し酸っぱかった。

 そのまま"チョウチョウ"クッキングが始まった。マガル族の村でも食べたインスタントラーメンである(Day21参照)。

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 火をつけた薪の上に鍋をセット。野菜を香辛料で炒め、水を加える。沸騰してきたらチョウチョウの袋の封を切り、人数分鍋に投下していく。添付の粉末スープも加えて煮込む。


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 村での食事はキャンプ飯みたいな雰囲気を味わえる。外ならではの美味しさがある。調理したのがお姉さんだったから、彼女が本物の"チョウチョウのディディ"なのかもしれない(Day4参照)。

 

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 その家には子猫が住んでいた。

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 私は実家で黒猫を飼っているのもあり、犬派というよりは猫派である。可愛くて思わずシャッターを切った。うちの母親の機嫌が悪くなったら使えそうである。

 ネズミを食べてもらうために、猫を家で飼っているとのこと。

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 ネパールで猫は犬に対して少数である。犬はそこら中にいる。道端で寝ていたりうろついていたりする。飼い犬はティハールでティカを受ける(Day4参照)。犬は家を守る存在として、崇められるのである。

 じゃあ、どうして猫に対しては礼拝しないのだろう?、と私は疑問に感じた。猫だってネズミから家を守っている。つまり神様みたいなものである。犬と猫で扱いが不平等ではないか。

 まあ、そういうものはそういうものなのだろう。それ以上追及しようがない。

 家の2歳半の娘さんが子猫の首や尻尾をつかんで投げて遊んでいたので、お母さんが声をあげて止めにかかっていた。私も「フンダイナ!」(ダメ!)と、他人の子どもであろうと声をあげた。そのうち『猿の惑星』ならぬ『猫の惑星』が製作されてもおかしくない。